慣れ親しんだベルーナドームは、6月とは思えないほどの酷暑だった。
というわけで最初の最後のAqours単独ライブがfinaleということになった。
まあ言ってしまえばフルコースの最後の一品だけいただいちゃうような感覚だよなあ、と思っていた。
ただ、深く考えずに楽しむべしと歴戦オタク達が語るのを見て幾分ハードルは下がった状態で臨んでいた気はする。
これが良かった、あれが良かったのを逐一書き留めるより、起きたこと全てを目に焼き付けようとなる感覚。最終的にはなんというか、言い方選ばなければ脳髄焼かれて空っぽになって終わる感覚。
今ほどの熱量のない時期に参加していたギルキス1stも2ndも思えばそんな感じだった。
熱量が上がった今は多少は記憶に残す事もできたが、結局大筋はそんな感じで記憶にない。
それでも、ギルキス2ndは後に出た円盤の特典として付いたCDは今も定期的に聴き返すほどお気に入りになった。
だからこそ、このライブのパンフでギルキスキャスト3人が印象的なライブとして2nd挙げてくれてたのが嬉しかった。
その中で「3rdライブを心待ちにしています」とコメントが寄せてあり。
コメントの主はそう、ソロ活動も今追うようになった小林愛香嬢であり。
このfinale発表のあった9周年配信でも「Aqoursを守ります」とも語り、
要所要所の言葉の頼もしさに救われた気がする。
だからこそ、そんな彼女が2日目、中盤〜終盤から目を潤ませながらパフォーマンスする姿にこちらまでグッと来た。
思えばグッと来ていたのに気づいたのは「キセキヒカル」で。
――Aqoursの楽曲の中で、自分自身のテーマソングにしたい1曲と、その理由を教えてください。
小林:「キセキヒカル」ですね。もともとテレビアニメの劇伴だったものに歌詞がついて、劇場版では挿入歌にもなった曲なんですけど、とにかく歌詞がよくて。つまずいたり壁にぶつかったりして弱ってしまった心を明るく救ってくれるというか……生きているんだなと感じられるんですよ。Aqoursとしてはもちろん、自分自身の心情とも重ねられるので、”人生ソング”と呼んでいるくらいですね。自分を鼓舞したい時に聴く曲です。聴きすぎると心に染みすぎちゃって、うるうるしてしまうので危ないんですけど(笑)。
しゅ
そして朱夏ちゃん。
ダンスの上手さといったところはもう見知ったところだったが、
「君のこころは輝いてるかい?」での馬跳びだったり、
要所要所で飛んだり跳ねたりと言うところの動きがマジですごかった。
最後、潤ませながら一考ののち渡辺曜を降ろして最後の挨拶をしていたの、こうもなるとイタコの域である。10年もやればこんな技巧すらも身につけると言うのかと圧倒された。
やるところはやりつつもちろん、目を引かれたきっかけになった茶目っ気というのも健在であり。1日目の最後、メンバーの名を呼ぶ時に
斉藤「善子ちゃん」
小林「ヨハネ!!!」
推し同士でこういうやりとりが恒例行事のような形であるの、非常にたすかる。
キャスト目線で反芻してみたが、楽曲単位で振り返りたいところもあり。
「Deep Bule」、「幻日のヨハネ」関連楽曲ということもあり、
そこを意識したフォーメーションに目が行った。
ヨウ・カナン・ハナマルは「R•E •P」、
チカとダイヤ・ルビィの「Be as one!!!」、
ヨハネ・リコ・マリは「Hey, dear my friends」と
綺麗に挿入歌ユニットの組み合わせである。
ヌマヅを踏まえた構成か、はたまた偶然か。この辺りは答え合わせが出来たらしたいものである。
中盤に披露された「HAPPY PARTY TRAIN」。
九州に行った際何かに呼ばれるように大分に行き、PVのモチーフになった豊後森機関庫を見ていただけに、初日そのPVバックに歌われていたの見てグッと来てしまった。
思えばfinaleで1mmもやると約束なんてされてないはずなのに、導かれるように…
いや、どこかやって欲しいと思いながら彼の地へ行っていただけに、より感慨もひとしおだった。ラスサビでの天井に果南色のレールが描かれたのも印象的。
少しよその話になるが、昨年に行った虹ヶ咲7thでのこと。6thを踏まえての
「Fly with you」の大合唱、当時はまわりの大合唱具合に驚いたが、のちに過去そういう大合唱があったことが発端と伝え聞き、それを羨ましいと思っていた。
だからこそ2日目ラストの「勇気はどこに?君の胸に!」の大合唱の場に居れたというのが嬉しかったし、この2日間の一番の思い出はどこかと言われたらあそこを間違いなく挙げたい。
そしてこの曲といえば終盤の一節。
やり残したことなどない
そう言いたいねいつの日にか
そこまではまだ遠いよ だから僕らはがんばって挑戦だよね
最初で最後の単独ライブだった自分にとっては、10年追い続けたオタクとはまた違う、この先に待つであろういろいろな節目の時にこう言えるような、後悔なく楽しんで歩むために自分に言い聞かせるように歌っていたかもしれない。
…インストに乗せて歌った2回目については逆にメンバーに向けて思いっきり歌って泣かせたろくらいの思いで歌ってた気がする。
単純に全体通して歌詞歌ってて沁みたし、曲披露の後インストで流れたたののにも大合唱する流れが出来上がり、スッと先に挙げた歌詞の前に音消して聴かせる形。あれにもグッと来た。
この歌詞の話もそうだが、やっぱりAqoursにもっと早くに出会えてればとは思ったけど、そこで思い出すのはきんちゃん(高槻かなこ)のMCであり。
「この先、今日のことを思い出して、明日から私への約束を1つ決めたいと思います。もう、“もしもってことは考えない”。あのときもっと素直になれてたらとか、そのもしもは全部は置いていって、アニメでも言っていたように、起きることすべてを受け止めて、また新たな人生のスタートを切ろうと思います」
これに付け加え、きんちゃんはこうも言っていたはずで。
「皆さんの中でも同じことを思って生きてくださったら、私も頑張れるかなと思ってます」
偶然が積み重なってこの日になっている以上、どこかで違う選択肢を取っていたらこの2日間の現場にいなかったかもしれないと思うと、今における最善手は歩んできたこの道しかないと思いつつ、ここまで最高のものである事を実感した以上、違う道を選んでいても辿り着いていたのではと思うだけに惜しい、と思っていただけにこの言葉がより沁みた気がする。
あの場にいる者たちが「Aqoursを忘れない」と誓ったことで、節目こそ迎えても「永遠」になったのは救いでもあり、ある意味呪いでもあると思っている。ライブ終わって直後であれば自信を持って忘れない、とまだまだ言えるものだが、過去の自分を思えば以前の自分の好きだという思いが必ずしも同じ形で残っているか、と言われると自信持って頷ける訳でもない。
ただ、長く愛されれば永遠の輝きと言ってもいい域になるほどの存在になるという例も確かに知っている。
かつて、バンナムフェスではギルキスという形でAqoursを見せつけられる側だったが、奇しくも今後待つアニサマではいちファミリアとして迎えることができる。ある種、背中を押せるような応援が出来ればなあと感じるばかりである。
で、ライブ終わりの帰宅後、落ち着いて反芻して気が付く。
ヨハネの誕生日は7/13。
僕の予定は7/12 磐田で7/13 掛川。
…静岡いますやん。県東だけども。
7/13のは2daysライブの2日目しか当たらなくてショゲてたところにアイマスのイベントが差し込まれ、そんなことあるんだ!?と思いつつ応募し当選。そしてこのタイミングでヨハネの誕生日とも被る時期ともこのタイミングで気がつく。
この事実に気づかず静岡に居るということに、ライブ後のおかしなテンションで気が付いてしまったものだからもう大悶絶。こんなことあるかよ!!!!嘘だろ!!と吠えまくったし、奇跡に変な笑いとグッと来た感情を味わいぐっちゃぐっちゃに感情がなったのち、これはどうせなら沼津に行かねば!という思いに駆られてきた。
どうしようもなくなるかと思ったけど、当面はなんとかなりそう。
finale終わりのここをまた起点に、色々楽しみたいと思った2日目終わりの夜中になったとさ。めでたしめでたし。